国全体の対策ではサイバー攻撃などに対処できる情報セキュリティーの専門家育成が急務です。国内の情報処理技術者はこれまでIT(情報技術)企業のシステムエンジニアやプログラマーが中心でしたが、近年は標的型メール攻撃などに対応できる専門家の需要が高まっています。総務省は17年度に専門家の育成やサイバー攻撃の演習をする拠点を設け、サイバー防衛に精通した若者を毎年100人ずつ育成する計画です。
20年の東京五輪開催を控え、政府機関や企業を狙うサイバー攻撃はさらに増える恐れがあります。今後、家電や自動車、工場の生産設備など、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)が普及すれば、産業活動や社会生活へのウイルス被害の拡大が懸念されます。政府や企業に情報セキュリティー対策の一層の強化が求められるだけでなく、私たち一人ひとりも情報漏洩に対して危機意識を持つことが欠かせません。