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コンピューターウイルス、標的型や金銭を要求するタイプが急増中

2016.11.7 掲載
コンピューターウイルスによるサイバー攻撃が後を絶ちません。以前はウイルスを仕込んだメールを不特定多数に送る方法が主流でしたが、最近は特定の企業や組織を狙った「標的型メール攻撃」が急増。パソコンだけでなく、スマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)を使えなくして、元の状態に戻す条件として金銭を要求する新型ウイルスも広がっています。今回はコンピューターウイルスの基礎知識や最近の被害例、個人ができる防衛策、企業・政府の対策などについて解説します。

1. コンピューターに被害を及ぼすプログラム(1)

1. コンピューターに被害を及ぼすプログラム(1)
 コンピューターウイルスはコンピューター内のプログラムやデータベースに対し、意図的に被害を及ぼすように作られたプログラムです。その名の通り、病原体のウイルスと同様の機能を持つのが特徴です。コンピューターウイルスはまずUSBメモリーなどの外部記憶媒体や電子メールなどを通じてコンピューター内の特定のファイルに取り付き、自分のコピーを増やします=自己伝染機能。一定時間の経過などの条件が整うのを待って=潜伏機能、条件が満たされるとプログラムや保存されたデータなどを破壊したり、データベース内の情報を外部に流出させたりします=発病機能。1990年に通商産業省(現・経済産業省)が制定(95年に改訂)した「コンピュータウイルス対策基準」は自己伝染機能、潜伏機能、発病機能のうち1つでも持つものをコンピューターウイルスと定義しています。
2016年11月7日掲載