ビジュアル・ニュース解説

火山防災について知る

2015.10.5 掲載
国内で火山活動が活発になっています。2014年9月に長野、岐阜両県にまたがる御嶽山(おんたけさん)が噴火して多数の犠牲者が出たほか、15年5月に鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)、6月から7月にかけて神奈川県の箱根山、9月には熊本県の阿蘇山と噴火が相次いでいます。これに対応し、気象庁や研究機関などは火山の監視・防災体制を強化しています。今回は火山の噴火の基礎や国内の火山の現状、監視・防災体制などについて解説します。

3.活発な活動が続く47火山を常時監視(1)

3.活発な活動が続く47火山を常時監視(1)
 火山の噴火はときに大きな災害を引き起こし、周辺住民の生命や生活を脅かします。災害を起こす現象としては、火口から流れ出る溶岩流、噴火で噴出する火山灰・火山れき(直径2ミリ以上の粒)・噴石(直径50センチ以上の岩石)、高温の火山ガスや火山灰などが混じり合って山肌を一気に駆け下りる火砕流、大量の水と土砂が流れ落ちる火山泥流などがあります。特に噴石や火砕流、雪が溶けて発生する火山泥流(融雪型火山泥流)は避難するための時間の猶予がほとんどなく、生命に対する危険性が高まります。
 火山災害による被害を未然に防ぐため、気象庁は東京のほか札幌・仙台・福岡の各管区気象台に設置された「火山監視・情報センター」で、全国の活火山の活動状況を監視しています。110の活火山のうち特に活動が活発な47火山については、地震計や空気の振動を観測する空振計、地盤の変化を検出するGPS観測装置、観測カメラなどを使って24時間態勢で監視しています。
2015年10月5日掲載