火山の噴火はときに大きな災害を引き起こし、周辺住民の生命や生活を脅かします。災害を起こす現象としては、火口から流れ出る溶岩流、噴火で噴出する火山灰・火山れき(直径2ミリ以上の粒)・噴石(直径50センチ以上の岩石)、高温の火山ガスや火山灰などが混じり合って山肌を一気に駆け下りる火砕流、大量の水と土砂が流れ落ちる火山泥流などがあります。特に噴石や火砕流、雪が溶けて発生する火山泥流(融雪型火山泥流)は避難するための時間の猶予がほとんどなく、生命に対する危険性が高まります。
火山災害による被害を未然に防ぐため、気象庁は東京のほか札幌・仙台・福岡の各管区気象台に設置された「火山監視・情報センター」で、全国の活火山の活動状況を監視しています。110の活火山のうち特に活動が活発な47火山については、地震計や空気の振動を観測する空振計、地盤の変化を検出するGPS観測装置、観測カメラなどを使って24時間態勢で監視しています。