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火山防災について知る

2015.10.5 掲載
国内で火山活動が活発になっています。2014年9月に長野、岐阜両県にまたがる御嶽山(おんたけさん)が噴火して多数の犠牲者が出たほか、15年5月に鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)、6月から7月にかけて神奈川県の箱根山、9月には熊本県の阿蘇山と噴火が相次いでいます。これに対応し、気象庁や研究機関などは火山の監視・防災体制を強化しています。今回は火山の噴火の基礎や国内の火山の現状、監視・防災体制などについて解説します。

1.地下のマグマが噴出してできる火山

1.地下のマグマが噴出してできる火山
 地球の表面は「プレート」と呼ばれる十数枚の巨大な岩盤で覆われています。プレートは長い時間をかけてゆっくりと移動しており、日本列島の地下などでぶつかり合って一方が地下に沈み込みます。プレートが沈み込むと、その下の岩石が溶けます。それがセ氏700~1200度の高温で地下深くにたまったものがマグマです。マグマなどが地表から噴出するのが噴火で、それによってできた山や地形が火山です。
 火山の噴火はマグマが地表に出てくる「マグマ爆発」、マグマに熱せられた地下水が水蒸気になって噴き出す「水蒸気爆発」、マグマが地下水に触れて水蒸気と一緒に噴き上がる「マグマ水蒸気爆発」の3種類があります。
2015年10月5日掲載