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火山防災について知る

2015.10.5 掲載
国内で火山活動が活発になっています。2014年9月に長野、岐阜両県にまたがる御嶽山(おんたけさん)が噴火して多数の犠牲者が出たほか、15年5月に鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)、6月から7月にかけて神奈川県の箱根山、9月には熊本県の阿蘇山と噴火が相次いでいます。これに対応し、気象庁や研究機関などは火山の監視・防災体制を強化しています。今回は火山の噴火の基礎や国内の火山の現状、監視・防災体制などについて解説します。

2.国内に110ある活火山、世界の7%が集中

2.国内に110ある活火山、世界の7%が集中
 産業技術総合研究所は過去260万年の間に噴火によってできた山を火山としています。専門家で構成する気象庁の火山噴火予知連絡会は、日本にある約450の火山のうち、過去1万年以内に噴火したことがあるか、現在も活発に噴煙を上げる火山を活火山と呼んでいます。
 かつては活動を続ける火山を活火山、過去に噴火の記録があっても現在は活動が見られなければ休火山、噴火した記録はないが地質などから火山と判断できる場合は死火山と呼んでいました。例えば、富士山は平安時代や江戸時代などに噴火した記録があるものの、現在は目立った活動がないので休火山とされていました。
 しかし46億年に及ぶ地球の歴史のなかで、火山活動の数百年程度の休止はわずかな期間との考え方が国際的に広がり、気象庁は1960年代以降、噴火記録のある火山をすべて活火山と呼ぶように改めました。火山噴火予知連は70年代に、活火山を「噴火記録のある火山と、現在活発な噴気活動のある火山」と定義し、77の火山を指定。91年には「過去およそ2000年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」と定め83に拡大。さらに2003年には、定義の過去の噴火時期を「1万年以内」に広げ、活火山は110に増えました。
 世界の活火山のうち7%は日本に集中しています。日本に火山が多いのは日本列島がプレートのぶつかり合う位置の上にあるためです。
2015年10月5日掲載