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サードウエーブ・コーヒーって何?~カフェビジネスの最新動向を知る

2014.9.1 掲載
手軽にいれたての味が楽しめるコンビニエンスストアのコーヒーの台頭で、コーヒー市場が活気づいています。ファストフード店やファミリーレストラン、スーパーなどコンビニ以外の小売りや外食もいれたてコーヒーの販売を強化しており、低価格で本格コーヒーを楽しめる環境が急速に整いました。コーヒー豆の品種や産地にこだわる「サードウエーブ(第3の波)」と呼ばれる新しいトレンドも生まれ、外食各社の参入が相次いでいます。今回はこれまでの国内カフェ市場の変遷やサードウエーブ・コーヒーをめぐる業界の動向などについて解説します。

4. コーヒーそのものに徹底的にこだわる「サードウエーブ」が到来(1)

4. コーヒーそのものに徹底的にこだわる「サードウエーブ」が到来(1)
 さらに最近は、「サードウエーブ」と呼ばれるコーヒーブームが世界に広がっています。サードウエーブとは「第3の波=3回目のコーヒーブーム」という意味です。
 コーヒーブームの第1の波は、19世紀後半に缶入りのコーヒー豆やインスタントコーヒーが大量に流通し、コーヒーが一般的な飲み物になったことで起きました。第2の波はコーヒーの品質を追求する動きが活発になり、スターバックスに代表されるシアトル系カフェが普及した1980年代から2000年ごろとされます。それに続く第3の波はコーヒーそのものにこだわり尽くす新たな潮流です。
 コーヒーの生産国や消費国の間では2000年代ごろから、それまでのコーヒーの生産や販売、消費のあり方を見直し、少量生産で高品質のコーヒー豆を適正な価格で取り引きするなど、コーヒーの地位を高めようとの機運が盛り上がりました。そうしたコーヒーに対する新しい考え方やトレンドを背景に、米国の西海岸で生まれたのが「サードウエーブ」です。
 例えば、誰がどのように育てた豆なのかを明らかにし、生産地との関係を大事にする。きちんとした設備で焙煎(ばいせん)し、訓練された店員が1杯ずつ丁寧にいれる――。こうしたサードウエーブの考え方を取り入れたカフェが世界で増えつつあります。
 その代表格が02年に米国西海岸で創業した「ブルーボトルコーヒー」です。生産者と適正な価格で取引する「フェアトレード」で有機栽培の豆を調達。焙煎から48時間以内の新鮮な豆だけを使って、注文を受けてから1杯ずついれます。手間暇をかけているため価格はシアトル系チェーンより4割以上高いですが、客が長蛇の列をなすほどの人気となり、サードウエーブ・コーヒーのブームの旗手として注目されています。
2014年9月1日掲載