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ビル解体ラッシュ到来~高層ビル解体の最新技術について知る

2014.4.21 掲載
1970~80年代に建設された高層ビルが相次ぎ建て替え時期を迎えています。都市部でのビル解体工事は周囲への影響が大きく、単純に圧砕・粉砕するわけにはいかないため、ゼネコン(総合建設会社)各社は静かに美しく壊すビル解体工法の開発を競っています。今回は日本における高層ビル建設の歴史を振り返るとともに、ゼネコン各社が誇る高層ビル解体の最新技術について解説します。

2. 高層ビルの解体工法の開発競う

 高さ100メートルを超える高層ビルはこれまで、国内に700棟以上建設されています。2014年3月には大阪市に高さ300メートルの「あべのハルカス」が完成し、「横浜ランドマークタワー」の高さ296メートルを抜いて日本一高いビルとなりました。
 その一方で、多くの高層ビルが建て替えを迫られています。老朽化のためだけでなく、強度に問題がなくても設備の陳腐化などの理由で建て替えるケースも増えています。
 都市部でのビル解体工事は騒音や振動、粉じん飛散など周囲への影響が大きく、ただ壊すだけでは済みません。海外では爆薬を仕掛けて解体する例もありますが、ビルが近接している日本の大都市では不可能です。そこで国内のゼネコン各社は新しい解体工法の開発を競い合っており、100メートルを超すビルの解体で採用される工法も出ています。
2014年4月21日掲載