「高層ビル」「超高層ビル」に明確な定義はありませんが、建築基準法では高さ60メートルを超える建築物にそれ以下のものと異なる基準を設定していることから、高さ60メートル以上が一つの目安になります。日本では東京五輪が開催された1964年に「ホテルニューオータニ」(地上17階、73メートル)が、68年には日本初の本格的な超高層ビルとされる、地上36階建て、高さ147メートルの「霞が関ビルディング(霞が関ビル)」が完成しました。
日本の高度経済成長に伴ってオフィスや商業施設の需要が急速に増え、狭い土地を有効活用できる高層ビルが求められました。地震の多い日本で高層ビルを建てるには高度な技術が必要ですが、コンピューターの発達により地震の建築物への影響をシミュレーションできるようになったことで徐々に高層化ができるようになりました。70年にはビルの高さ制限が撤廃され、70~80年代にかけて再開発が進んだ都市部を中心に高層ビルの建設が相次ぎました。