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ビル解体ラッシュ到来~高層ビル解体の最新技術について知る

2014.4.21 掲載
1970~80年代に建設された高層ビルが相次ぎ建て替え時期を迎えています。都市部でのビル解体工事は周囲への影響が大きく、単純に圧砕・粉砕するわけにはいかないため、ゼネコン(総合建設会社)各社は静かに美しく壊すビル解体工法の開発を競っています。今回は日本における高層ビル建設の歴史を振り返るとともに、ゼネコン各社が誇る高層ビル解体の最新技術について解説します。

1. 高度経済成長末期から高層ビル建設が相次ぐ

1. 高度経済成長末期から高層ビル建設が相次ぐ
 「高層ビル」「超高層ビル」に明確な定義はありませんが、建築基準法では高さ60メートルを超える建築物にそれ以下のものと異なる基準を設定していることから、高さ60メートル以上が一つの目安になります。日本では東京五輪が開催された1964年に「ホテルニューオータニ」(地上17階、73メートル)が、68年には日本初の本格的な超高層ビルとされる、地上36階建て、高さ147メートルの「霞が関ビルディング(霞が関ビル)」が完成しました。
 日本の高度経済成長に伴ってオフィスや商業施設の需要が急速に増え、狭い土地を有効活用できる高層ビルが求められました。地震の多い日本で高層ビルを建てるには高度な技術が必要ですが、コンピューターの発達により地震の建築物への影響をシミュレーションできるようになったことで徐々に高層化ができるようになりました。70年にはビルの高さ制限が撤廃され、70~80年代にかけて再開発が進んだ都市部を中心に高層ビルの建設が相次ぎました。
2014年4月21日掲載