従来の高層ビル解体工事はまず地上にタワークレーンを設置。それで解体用の重機を最上階につり上げ、建設時とは逆に上から壊していくのが主流でした。これに対し、鹿島はジャッキで建物全体を支えながら、「だるま落とし」のように下の階から解体する「鹿島カットアンドダウン工法」を開発しました。この工法だと地上付近で作業するため、粉じんの飛散や騒音を抑えられます。屋根を最後に壊すため現場が雨にぬれずにすみ、内装材のリサイクル率は従来の50%程度から90%以上に高めることができます。
同社は2007~08年の東京・元赤坂の旧本社ビル2棟(第1棟=17階、65メートル、第2棟=20階、75メートル)の解体工事に、12年には東京・大手町の「りそな・マルハビル」(24階、108メートル)の解体工事にもこの工法を採用しました。