いまや世界の総人口は70億人を突破し、食糧需要は増大する一方です。特に需要が急増しているのが経済成長著しい中国です。同国は主に食用油に使う大豆の輸入量がこの10年間で5倍に拡大。家畜向け飼料が最も多いトウモロコシでも国内需要が5割超増えました。小麦の場合、2011年6月~12年5月期に中国国内の生産高と需要がほぼ拮抗し、純輸入国となることが確実となっています。
穀物メジャーは中国をはじめとするアジア地域の需要の増加に対応するため、穀物供給網のさらなる拡充をはかっています。例えば、穀物の供給源としてこれまでの主力の北米に加えて、豊かな穀倉地帯を有する南米のブラジルやアルゼンチンにも進出。現地農家を資金的に援助すると共に、輸出用のエレベーターを建設したり、現地の加工会社を買収したりして、南米における集荷・輸出能力を強化しています。また、中国の搾油企業を買収するなど、需要を喚起するために需要地での食糧関連企業の買収にも積極的です。