穀物取引による流通マージンは利幅が薄く、そもそも天候の影響を受けるため穀物の生産量は不安定です。穀物輸出は米国政府などの通商政策にも大きく左右されます。安定的に高収益を上げるため、穀物メジャーは80年代以降事業の多角化を推し進め、製粉、配合飼料生産、畜産、食肉加工、肥料販売、種子販売、製塩、製鉄、保険、バイオ燃料生産など多くの分野に進出しています。
なお、穀物メジャーは日本の食糧供給の主な担い手である商社とも深い関わりを持っています。商社は国内の食品メーカーや油脂メーカー、飼料会社などと穀物の販売契約を結び、穀物メジャーなどから穀物を調達しています。穀物メジャーにとって大量の穀物を買い付けてくれる日本の商社は重要な顧客です。一方で、近年では日本の商社も穀物供給網の構築に積極的で、世界の穀物市場で競合する存在でもあります。