キャッシュレス決済で最も普及しているのはクレジットカード決済です。日本で最初のクレジットカードは1961年に発行されました。日本は海外と比べ、クレジットカードの使用頻度が低く普及も進んでいないといわれます。日本クレジットカード協会によると、2004年のクレジットカード発行枚数が2億2640万枚なのに対し、18年は2億7827万枚と、年率2~3%増の小幅な伸びにとどまっています。以前は高額な商品の購入や飲食などに使用が限られ、少額の支払いにはあまり使われませんでした。しかしインターネットショッピングの台頭とともにクレジットカード決済が広がっています。
国際ブランドのクレジットカードなら海外でも使用できます。その決済のためVISAやマスター、アメリカン・エクスプレス、JCB、銀聯などの国際カードブランド会社、カード発行会社、カード加盟店の間では国際標準で定められた形式でデータ交換をしています。ただし、日本ではCAFISや日本カードネットワーク(JCN)などの独自のネットワークを経由して国際ブランドのネットワークと接続しています。
クレジットカードの利用が多い訪日外国人(インバウンド)が近年増加し、国内の小売りやサービス業もクレジットカードへの対応が欠かせなくなりました。クレジットカードの不正利用を防ぐためカードへのICチップ搭載が進んでいますが、18年6月に施行された改正割賦販売法はクレジットカードを取り扱う業者にIC型対応の端末設置を義務付けました。