ビジュアル・ニュース解説

相次ぐ異常気象と予報について知る

2018.10.1 掲載
2018年の夏は記録的な猛暑や豪雨、台風の度重なる上陸などに見舞われ、大きな被害が出ました。海外でも熱波や豪雨などによる被害が広がりました。世界的な異常気象は地球温暖化と関係があるとの指摘があります。今回は異常気象のあらましや気象庁による監視・予報体制と新たな取り組み、18年夏に国内で起きた災害などについて解説します。

2.気象庁、予測精度の向上に取り組む

2.気象庁、予測精度の向上に取り組む
 気象庁は世界中から集めた観測データなどをもとに、「世界の異常気象速報」を毎週発表しており、月、季節、年ごとにもまとめています。エルニーニョ・ラニーニャ現象などの海洋変動の最新状況と見通しについても毎月発表します。社会的に大きな影響を与える異常気象についてはその特徴や要因、見通しなどを随時公表するほか、特に影響が大きい場合は「異常気象分析検討会」を開き、大学や研究機関などの研究者と協力して分析し、発生要因などについて見解を示します。
 集中豪雨や暴風などがより早い段階で把握できれば防災や企業活動への影響を避けるのに役立てられるため、気象庁は気象予測の精度向上に取り組んでいます。その一つがスーパーコンピューターの更新です。18年6月の新システムの運用開始で、雨量の分布を示す「降水短時間予報」が従来の6時間先から15時間先まで広がり、夕方には翌朝に大雨が降りそうな地域がわかるようになりました。台風の風速や中心気圧などの予報も18年度中に、現在の3日先から先に伸ばし5日先まで発表する予定です。
 5~14日後に30%以上の確率で極端な高温や低温になると予想される際などには「異常天候早期警戒情報」を発表しています。今は確率しか示せていませんが、19年6月ごろをめどに「2週間気温予報」に切り替え、予想気温を毎日発表します。
2018年10月1日掲載