18年の夏は猛暑や豪雨、台風の上陸頻発など記録ずくめでした。気象庁の6~8月の天候まとめによれば、東日本(関東甲信、東海、北陸)の平均気温は平年を1.7度上回り、統計を始めた1946年以降で最高となりました。西日本(近畿、中国、四国、九州)も平年より1.1度高く、13年に次ぐ2番目の暑さとなりました。7月23日には埼玉県熊谷市で国内史上最高の41.1度を記録。8月23日には山から高温の風が吹き降りることで気温が上がりやすくなるフェーン現象の影響で、新潟県胎内市で40.8度まで上昇するなど、北陸地方で初めて40度以上になりました。
台風は18個発生し、最多だった94年と並びました。8月中旬には観測史上初めて5日連続で発生しました。
被害も甚大でした。総務省消防庁によると、熱中症による救急搬送者数は4月30日から9月9日までに9万3000人を超え、統計を取り始めた08年以降で最多です。7月の西日本豪雨では広島、岡山、愛媛の3県を中心に15府県で226人が河川の氾濫や土砂崩れなどの犠牲になって死亡しました。
気象庁は西日本豪雨と記録的な猛暑について、上層のジェット気流が大きな蛇行を繰り返したことが原因と分析しました。西日本豪雨の原因はジェット気流が蛇行を続けたことで梅雨前線が西日本に停滞し、そこに向けて多量の水蒸気が流れ込み続けたことと指摘。猛暑についてはジェット気流の蛇行で、上層の太平洋高気圧とチベット高気圧がともに日本付近に張り出し続けたことによるとしたうえで、これらの背景に「地球温暖化に伴う気温の上昇がある」との見解を示しています。
18年の異常気象は国内にとどまらず、米国やアフリカなど世界各地で気温が最高を記録しました。世界気象機関(WMO)は世界的な異常気象について、長期的な地球温暖化の傾向と関係している可能性を指摘しています。