自由貿易の国際ルールづくりを推進する機関がWTOです。戦後の48年に貿易自由化を目指して発効した関税貿易一般協定(GATT)を発展させるかたちで、95年に発足しました。現在、加盟しているのは164カ国・地域で、日本はGATT体制時の55年から加盟しています。モノだけでなくサービスの貿易や知的財産権の保護など、幅広い分野を対象に貿易のルールを定めています。
貿易相手国が不当に安い価格で輸出(ダンピング)することで自国産業が被害を受けた場合には、反ダンピング関税や緊急輸入制限(セーフガード)などの対抗措置を取ることを加盟国に認めています。その一方で、相手国はこうした措置に不満があればWTOに提訴や仲裁を依頼できるなど、紛争解決の制度も設けています。