17年2月にはNASAが地球によく似た太陽系外惑星を7つ発見したことが話題になりました。
地球からみずがめ座の方角に39光年離れた恒星「トラピスト1」の周囲に、大きさが地球の0.76~1.13倍の惑星が7つ見つかりました。このうち6つは質量が地球と似ており、岩石でできているとみられます。少なくとも3つの地表に水が液体のまま存在する可能性があり、ハビタブルゾーンに位置しています。
今回の発見が注目されるのは、見つかった惑星の数が多いうえ、水の存在を初めて観測で確認できる可能性があるからです。7つの惑星は地球とトラピスト1の間をちょうど横切る軌道を回っています。横切る際に観測されるトラピスト1の光の波長は、惑星の大気に水があれば影響を受けて変化します。惑星が横切る瞬間とそれ以外の時の光の波長を比べれば、惑星に水が存在するかどうかがわかります。この方法で水を観測できる惑星の発見は今回が初めてです。
18年にはこの観測に適した新型宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ」をNASAが打ち上げます。地球の大気に含まれる水分の影響を受けない宇宙から、大口径の望遠鏡で観測すれば、水の有無が見極めやすくなります。
トラピスト1は赤色わい星と呼ばれる小型の恒星で、宇宙ではありふれたタイプです。他の赤色わい星でも多くの惑星が見つかれば、地球のような惑星は珍しくないことになります。近い将来、さらに多くの地球に似た惑星が発見されるかもしれません。