広大な宇宙には地球のように生命が存在する惑星があるのではないか――。こうした期待が以前からあったうえ、太陽系外惑星が見つかれば、太陽系や宇宙の誕生の経緯を探る手がかりにもなります。このため1940年代から太陽系外惑星の探索が始まりましたが、なかなか成果は出ませんでした。
1995年に地球から50光年離れたペガスス座51番星という恒星に初めて太陽系外惑星が確認されました。これ以降、これまでに3000個以上見つかっています。地球と似た大きさでハビタブルゾーンに入っているとみられる惑星も10個以上発見されています。
太陽系外惑星の発見が遅れたのは、他の惑星系も太陽系と同様の構造を持つとの先入観があったことが一因でした。太陽系では核を液体や気体の水素とヘリウムが取り巻く巨大ガス惑星の木星や土星は、太陽から遠く離れた円軌道を10年以上の周期で回っています。しかし、最初に発見されたペガスス座51番星の惑星は巨大ガス惑星にも関わらず、恒星の周囲を4日程度で回っています。
太陽系外惑星は地球から非常に遠くにあり、恒星が発する強い光が妨げとなって暗い惑星を直接観測することが難しいため、惑星を間接的に確認する方法が考案されました。
その1つはドップラー法です。惑星が恒星のまわりを回ると、その重力の影響により恒星も少しだけ動きます。これによって恒星の光の波長がわずかに変化します。この光のドップラー効果を捉えることで惑星を見つけます。
もう1つはトランジット法です。惑星が恒星の前を横切ると、恒星の一部がすこし暗くなります。この明るさの変化から惑星があることがわかります。
最近は観測技術の進歩で、望遠鏡による直接観測に成功しています。2008年にハワイのジェミニ望遠鏡とケック望遠鏡がペガスス座の恒星HR8799に、ハッブル宇宙望遠鏡がみなみのうお座の恒星フォーマルハウトにそれぞれ惑星を直接捉えることに成功しました。これ以降、惑星の直接観測の発表が相次いでいます。