ビジュアル・ニュース解説

ロボットビジネスの最新事情を知る

2017.7.17 掲載
ロボットビジネスが世界で活況を呈しています。人手不足が深刻で製造業の高度化を急ぐ中国の需要急増や、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT化の進展を背景に、産業用ロボットの販売が伸びています。店頭や公共施設での接客・案内や介護支援、家事補助など、日常生活にもサービスロボットの導入が進み、ヒトの協働パートナーとしての地位を確立しつつあります。今回はロボットの基礎知識と開発の歴史や現状、普及に伴う課題について解説します。

1. ヒトの代わりに自律的に作業する装置や機械

1. ヒトの代わりに自律的に作業する装置や機械
 ロボットはヒトの代わりに自律的に作業をする装置や機械を指します。「ロボット」という言葉はチェコスロバキア(現チェコ)の作家カレル・チャペックが1920年に発表した戯曲「R.U.R.」に登場する人造人間をロボットと名付けたことに由来します。
 60年代に物をつかんだり、溶接したりする産業用ロボットが米国で実用化され、日本にも導入されました。その後、技術革新に伴って塗装や部品の取り付けなど複雑な作業ができるようになり、80年代の工場の自動化拡大とともに自動車や家電の生産現場で普及しました。今では日本は2016年の産業用ロボットの総出荷額が約7160億円、15年の稼働台数は約28万6500台と、世界一のロボット大国です。
 国内メーカーや研究機関は産業用ロボットだけでなく、二本足で歩くヒト型ロボットの開発にも力を入れてきました。1973年に早稲田大学が世界で初めてヒト型ロボットを開発。2000年にホンダが公開した「ASIMO(アシモ)」は、階段の上り下りやダンスまでできる性能の高さが世界を驚かせました。
2017年7月17日掲載