政府もロボットの普及を後押ししています。AIやロボットなどによる「第4次産業革命」に関わる成長分野の市場規模を20年ごろに30兆円にする目標を掲げています。新たな産業を創出するとともに、人手不足や技術継承などの課題を克服しながら企業の生産性の向上につなげる狙いです。
AIやロボットの進化は雇用を奪うと懸念する声があります。日本経済新聞と英フィナンシャル・タイムズ(FT)が実施した共同の調査研究によると、人が携わる約2000種類の仕事(業務)のうち3割はロボットへの置き換えができることがわかりました。
ただ、大半の職業にはロボットで代替できない業務が残るため、完全に自動化できる職業は全体の5%にとどまります。一部の職業で雇用が減少する可能性はあるものの、その一方で人間の創造性が必要な業務や、意思決定、計画立案などの業務の重要性は高まり、これらの分野に人材がシフトしていくことになるでしょう。ロボットやAIの導入で新たな職業が生まれる可能性もあります。日本では今後、少子高齢化が急速に進み、生産年齢人口が50年後に現在より約4割減る見通しで、ロボットに任せられる業務は任せて、生産性を向上させれば国力の維持も期待できそうです。