本人の意思に基づき、国籍を与えられる場合もあります。日本国籍の取得を希望する外国人に対しては、法相の許可によって日本国籍を与える「帰化」があります。
帰化は外国人が日本に住み、長く働くための手段の一つですが、許可を得るのは簡単ではありません。引き続き5年以上日本に住んでいることや、20歳以上であること、安定した生計を立てていること、犯罪歴がないなど素行が善良であることなどの条件を定めていますが、これらを満たしていても帰化が許可されるとは限りません。上のグラフを見ると、法務省の統計では帰化申請の多くが許可されていますが、実際には申請を受け付ける前に審査があり、許可の可能性がない人は事実上申請できません。
外国人が日本に住んで働くには永住権を得る方法もあります。永住権を得れば、日本に在留する期間や活動の制限がなくなりますが、帰化と同様にそのハードルは低くありません。島国の日本は隣国と地続きの欧州などに比べて移民の数がこれまで少なく、帰化を伴う移民の受け入れに積極的に取り組んでこなかったという事情もあります。