祝日の数だけをとれば日本人はたくさん休んでいるように見えますが、労働時間は長いままです。経済協力開発機構(OECD)の調べによると、13年の日本人1人当たりの平均労働時間は1735時間。高度経済成長期と比べれば減っていますが、ドイツやフランスを1~2割上回っています。厚生労働省の調査では、年次有給休暇の平均付与日数も日本は1人当たり18.5日で、30日の独仏より4割近く少ないのが実情です。
そもそも日本の職場には仕事を休みづらい雰囲気があるとの指摘があります。日本人の働き過ぎを解消するには祝日を増やすだけでなく、休みを取りやすい仕組みをつくったり、働き手の仕事の負担を平準化したりするなど、働き方全体の見直しが必要です。今後の労働力人口の減少に対応するため、女性や外国人、シニアなど多様な人材が活躍できる環境整備も急務です。最近は仕事と生活を調和させる「ワークライフバランス」の重要性を指摘する声が広がっています。仕事と家庭生活の調和を実現するには企業や個人の意識改革も求められそうです。