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8月11日の「山の日」が2016年から祝日に~祝日制度について知る

2015.8.3 掲載
2016年から「国民の祝日」に8月11日の「山の日」が加わり、年間の祝日数が16日に増えます。日本は海外各国と比べて働き過ぎとの声があり、祝日に前後をはさまれた平日を「国民の休日」として休みにしたり、祝日を月曜日に移動して連休にする「ハッピーマンデー制度」などを導入したりして、祝日を増やしてきました。今年は5月のゴールデンウイークだけでなく9月にも「シルバーウイーク」とも呼ばれる大型連休があります。今回は祝日制度の概要と、祝日が増える背景などについて解説します。

2.働き過ぎ解消や経済効果などを狙って祝日を増やす

2.働き過ぎ解消や経済効果などを狙って祝日を増やす
 日本の年間16日の祝日数は、先進国の中では多い方です。ただ、欧米では「バカンス」などと呼ばれる長い休みをとる人が多く、その慣習がない日本人は働き過ぎだとの指摘がありました。そこで国は休みをとりやすくするため、祝日法を見直して祝日を増やしてきました。休日が多くなれば買い物やレジャーなどにお金を使う人が増え、景気への好影響も期待できます。
 まず祝日が日曜日と重なるとき、その後の最も近い平日を代わりの休日にする振り替え休日制度が1973年に導入されました(当初の振り替え休日は月曜に固定)。85年には祝日に前後をはさまれた平日を休日にする国民の休日制度が始まりました。これにより5月3日の「憲法記念日」と5月5日の「こどもの日」にはさまれた4日が休みになりました(2007年以降、5月4日は「みどりの日」として祝日に)。
 2000年にはハッピーマンデー制度が創設されました。祝日の一部を月曜日に移すことで土曜が休みなら土曜、日曜と続けて3連休にしやすくするもので、これにより「成人の日」「海の日」「敬老の日」「体育の日」の4つの祝日が、「1月の第2月曜日」(成人の日)などと、特定の月曜日に定められました。
 国民の休日とハッピーマンデーの2制度により、09年9月に初めて敬老の日と秋分の日にはさまれた日が休日となり、多くの人は土曜、日曜とあわせて5連休となりました。この秋の大型連休はシルバーウイークとも呼ばれ、この連休を利用して海外旅行に出かける人が増えました。15年9月も同様に5連休となり、有給休暇と次の土曜、日曜を組み合わせれば9連休になるため、海外旅行需要の拡大が見込まれています。
2015年8月3日掲載