ビジュアル・ニュース解説

「3Dプリンター」で何ができるの? 何が変わるの?

2013.9.2 掲載
印刷するような感覚で複雑な立体物を造形できる「3D(3次元)プリンター」が注目を集めています。技術革新により精度が向上し、使える素材も多様化していることから、製造業のほか、医療や教育、ファッションなどさまざまな分野で活用が期待されています。価格低下をきっかけに、個人の利用も急速に広がっています。今回は3Dプリンターの基本的なしくみと種類、注目されている背景、最新動向、本格普及に向けた課題などについて解説します。

4. 誰もが「メーカー」になれる時代の到来

4. 誰もが「メーカー」になれる時代の到来
 3Dプリンターはモノづくりのあり方を変えつつあります。電化製品や自動車といった複雑なモノの生産は大規模な組織や大がかりな設備が必要なため、これまで大企業が独占してきました。しかしインターネットが普及した現在は、世界中の専門家から製品開発のための技術協力を受けたり、不特定多数から資金を集めることが簡単にできるようになりました。アイデアをすぐ形にできる3Dプリンターがあれば、お金をかけずに何度も試作ができます。経営資源が乏しい小さな企業や個人でも製造業に乗り出しやすくなったのです。
 3Dプリンターは私たちのライフスタイルを大きく変える可能性もあります。3Dプリンターの高機能化と低価格化がさらに進み、3D設計データの作成がもっと容易になれば、自分の欲しいモノは買うのではなく、自分で作るのが当たり前になるかもしれません。
2013年9月2日掲載