ビジュアル・ニュース解説

「3Dプリンター」で何ができるの? 何が変わるの?

2013.9.2 掲載
印刷するような感覚で複雑な立体物を造形できる「3D(3次元)プリンター」が注目を集めています。技術革新により精度が向上し、使える素材も多様化していることから、製造業のほか、医療や教育、ファッションなどさまざまな分野で活用が期待されています。価格低下をきっかけに、個人の利用も急速に広がっています。今回は3Dプリンターの基本的なしくみと種類、注目されている背景、最新動向、本格普及に向けた課題などについて解説します。

5. 違法コピーが横行する恐れも

 ただし、3Dプリンターは使い方次第で“凶器”を生む恐れもあります。米国で13年5月、3Dプリンター用のプラスチック製ピストルの設計図がネットで公開され大きな話題となりました。3Dプリンターがあれば実弾が撃てる銃を個人でも簡単に作ることができ、犯罪に使われる可能性があります。著作物の権利に対する意識が低い国では、違法コピーなどの企業や個人の利益を損なう行為が横行する恐れもあります。米国では3Dプリンター向けの設計データが無制限に使われたり、ネット上で拡散したりするのを防ぐため、データを保存できない方式で利用者に送信する仕組みが考案されています。今後、3Dプリンターが本格的に普及するには、安心して利用できる仕組みづくりも欠かせません。
2013年9月2日掲載