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「投資信託」について知る!

2012.12.17 掲載
多数の投資家からお金を集め、一つにまとめてプロが運用する仕組みの「投資信託」。初心者でも少額で分散投資ができ、低金利時代の資産運用の有効な手段として人気を集めています。最近は取扱金融機関どうしの競争が激しさを増しており、手数料を抑えたり、これまで少なかった長期運用の商品を拡充するなど、各社は投資家からの資金取り込みに知恵を絞っています。今回は投資信託の基礎知識、最近の商品の傾向などについて解説します。

1. 多数の投資家から集めたお金を運用する仕組み。分業体制による運営も特徴(2)

1. 多数の投資家から集めたお金を運用する仕組み。分業体制による運営も特徴(2)
 投信の具体的な運営の仕組みは図のようになります。一般に投信には「販売会社」「運用会社」「信託銀行」の3種類の金融機関が関わっています。
 販売会社は投資家に投信を販売してお金をやりとりする窓口役のことで、証券会社や銀行、生損保などがこれにあたります。運用会社は投資家から預かったお金の運用方法を決める会社のことで、「ファンドマネージャー」と呼ばれる投資の専門家を抱える「投資信託委託会社」がこれを担います。投資信託委託会社の指示に従い、実際に株式や債券などを売買したり、投資家から預かったお金(信託財産)を管理するのが信託銀行です。こうした分業によって運営され、なおかつ投資家から預かったお金は信託銀行の財産と区分して管理されることから、仮に3つの金融機関のいずれかが経営破たんしても保全されます。
 投信による金融機関側の収入は投資家から支払われる手数料です。これには投信の販売時に受け取る「販売手数料」と、運用・管理に対する報酬として信託財産の一定割合を差し引く「信託報酬」の大きく2種類があります。
2012年12月17日掲載