デジタル証券
2019年11月7日(木) 日本経済新聞 朝刊
安全性の確保課題
ブロックチェーン(分散型台帳)などの技術を活用し、電子的に発行された有価証券のこと。デジタル証券を使った資金調達はSTO(セキュリティー・トークン・オファリング)と呼ばれる。従来の株式などを使った資金調達に比べ、小口の資金調達が迅速にできる。三菱UFJフィナンシャル・グループの新サービスでは即時決済と少額投資が可能になる。
デジタル証券は2020年4月施行の改正金融商品取引法で「電子記録移転権利」と規定され、金融機関での取り扱いが解禁される。証券会社などがデジタル証券の売買や募集を担い、個人や機関投資家が売買する。
仮想通貨技術を使った資金調達(ICO)が広がったが、詐欺的な案件が相次いで市場が下火になった経緯がある。マネーロンダリング(資金洗浄)の防止など安全性を確保できるかが今後の課題だ。10月にはSBI証券などの証券各社が日本STO協会(東京・港)を設立した。業界団体として自主規制の整備などを急ぐ。