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国連制裁

2024.4.1(月) 掲載
 国連安全保障理事会が対象国へのヒト、モノ、カネの流れを制限するために科す措置。理事国15カ国のうち9カ国以上が賛成し、5常任理事国が拒否権を行使しない場合に採択される。北朝鮮に対しては、初めて2006年10月に核実験を実施して以降、10回の制裁を決議してきた。22年5月の採決では、常任理事国の中国とロシアが拒否権を行使した。
 貿易など経済分野だけでなく学術交流も対象になる。北朝鮮制裁では、核関連や航空宇宙、先端製造技術といった分野の科学技術協力を制限することが明記されている。決議を履行する責任は加盟国が負う。各国は主に自国の輸出管理法で、技術移転につながる研究を規制している。
 だが制裁を国内法に落とし込む過程に多くの抜け穴が存在する。特に汎用性が高い基礎的な研究テーマは外部から軍事技術につながるかどうかの判断がしにくい。民生技術をどこまで対象にするかも各国の解釈次第で実効性を疑問視する声もある。
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