きょうのことばセレクション

紅麹

2024.4.1(月) 掲載
 蒸した米や麦などの穀物をカビの一種である紅麹(こうじ)菌で発酵させたもの。発酵により紅色になる。伝統的に中国の酒や沖縄の「豆腐よう」、漢方薬の原料である生薬などに使われてきた。
 発酵の過程では、血圧低下に効果があるGABA(ギャバ)や血中コレステロール値の抑制作用を持つモナコリンKといった成分が生成される。近年は特性が注目され、小林製薬は健康被害が確認された機能性表示食品で「悪玉コレステロールの値を下げる効果がある」とうたっていた。
 紅麹菌の中には有害物質「シトリニン」をつくり、腎臓の病気につながるものもある。欧州では過去に健康被害が報告され、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は2014年にシトリニンの基準値を設けている。小林製薬によると、同社のサプリはシトリニンを合成する遺伝子がない株を使っていた。腎疾患の原因物質として可能性が指摘されている「プベルル酸」は青カビからつくられる成分で、種が異なる紅麹菌からできる可能性は低いとみられる。
紅麹