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国内外で人気高まるジャパニーズウイスキー

2021.4.5 掲載
国産ウイスキー「ジャパニーズウイスキー」の人気が高まっています。国内だけでなくウイスキーの本場の海外での評価も上がっており、各地に「地ウイスキー」を造る新しい蒸留所も生まれています。人気の上昇に生産が追いつかない状況で、品薄解消には時間がかかりそうです。今回はジャパニーズウイスキーの現状について解説します。

2.ハイボールが広がりウイスキーブーム到来

2.ハイボールが広がりウイスキーブーム到来
 国内のウイスキー市場の拡大が続いています。ジャパニーズウイスキーは2001年以降、欧州での品評会で高い評価を得るようになり、08年にはウイスキーを炭酸水で割って飲みやすくしたハイボールでウイスキーの人気が上昇。ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝をモデルにしたテレビドラマが放送された影響もあり、ウイスキーブームが巻き起こりました。メーカー各社の増産や製造に参入する企業が出てきたことで、国産と輸入を合わせたウイスキーの課税済み出荷量は07年度の7万3900キロリットルから18年度には18万2700キロリットルに拡大。そのうち、国産は5万9000キロリットルから15万7000キロリットルに増え、全体に占める割合は80%から86%に高まりました。海外でのジャパニーズウイスキーの人気上昇で輸出も拡大しています。財務省の貿易統計によると20年の輸出額は271億円で、清酒(日本酒)を20年ぶりに逆転しました。
 国内で初めてウイスキー製造が始まったのは1924年です。「寿屋」(現サントリーホールディングス)創業者の鳥井信治郎がウイスキーの製造技術をスコットランドで学んだ竹鶴政孝を招き、現在の大阪府島本町に山崎蒸留所を建設して蒸留を開始。29年に最初の国産ウイスキー「サントリーウイスキー白札」(現在のサントリーウイスキーホワイト)を発売しました。竹鶴は34年に寿屋を退職し、北海道余市町に「大日本果汁」(現ニッカウヰスキー)を設立。40年に「ニッカウヰスキー」を発売しました。
2021年4月5日掲載