ビジュアル・ニュース解説

携帯電話大手、3月からそろって値下げ

2021.2.15 掲載
菅義偉政権の目玉政策のひとつ、携帯電話料金の引き下げが実現します。政府の値下げ要請を受け、携帯電話大手3社は3月から主力ブランドのデータ容量が大容量と中容量のプランの料金をそろって引き下げます。今回は携帯電話各社の料金引き下げの概要や残る課題などについて解説します。

2.NTTドコモが値下げ先行、KDDIとソフトバンクも追随

2.NTTドコモが値下げ先行、KDDIとソフトバンクも追随
 菅首相は官房長官在任時の18年、携帯電話料金について「今より4割程度下げる余地がある」と指摘。19年10月には端末代金と通信料金をセットで値引きする販売手法を制限する改正電気通信事業法が施行されました。新ルールでは端末割引を2万円までとするとともに、2年契約の中途解約の違約金を9500円から上限1000円に引き下げ、大手3社間の料金引き下げ競争を促しました。しかし、ドコモは19年6月に通信料金を最大4割引き下げたものの、KDDIとソフトバンクは19年秋に携帯電話業界に参入する予定だった楽天の動向を見極めようとしたこともあって大幅な値下げを見送りました。
 20年9月に発足した菅政権は携帯電話料金の引き下げを目玉政策として掲げ、総務省は同年10月、携帯料金引き下げに向けた行動計画を示しました。行動計画を受けて同月、KDDIはサブブランド「UQモバイル」、ソフトバンクは同「ワイモバイル」で、それぞれデータ容量が月20ギガバイトで通話料を含め税込み月額5000円以下のプランを発表しました。これに対し、武田良太総務相は「メインブランドでは全く新プランが発表されていない」と指摘し、主力ブランドの値下げを求めました。
 政府の意向に沿って、NTTドコモは20年12月、月20ギガバイトのデータ容量で月額2980円(税別)の新プランを発表。ソフトバンクとKDDIも横並びで追随しました。3社の新プランはいずれも高速通信規格「5G」に対応し、手続きができるのはオンラインだけです。大手3社が月20ギガバイトの低料金プランを発表したことで、当初から自社回線エリア内ならデータ通信量が無制限で月額2980円(税別)の楽天モバイルも対抗し、データ使用量が20ギガバイト以下なら料金を同0~1980円(税別)に引き下げました。
2021年2月15日掲載