近年、白血病の新しい治療法が相次ぎ開発され、注目を集めています。免疫を活用してがんを治療するCAR-T(カーティー)細胞療法を使った急性リンパ性白血病などの新薬の製造・販売が19年2月、国に承認されることが決まりました。急性リンパ性白血病は2~4歳の小児の発症率が高く、小児で最も多いタイプの白血病です。CAR-T細胞療法は遺伝子操作でがん細胞への攻撃力を高めたリンパ球の一種のТ細胞を体内へ戻すもので、骨髄移植をしても再発するなど難治性の患者に使われます。
17 年に世界で初めてCAR-T細胞療法が承認された米国では、難治性の患者に対する臨床試験で8割以上の患者に治療効果があったことが報告されています。
京都大学ウイルス・再生医科学研究所では急性骨髄性白血病の治療法として、iPS細胞からがん細胞を攻撃するТ細胞をつくり出す方法を開発。マウスを使った実験では成果が出ています。
このほか、京都大は急性骨髄性白血病で抗がん剤が効かなくなる遺伝子のメカニズムや、慢性骨髄性白血病を起こす原因の細胞を根絶する免疫の仕組みを解明しており、今後の臨床試験への応用が期待されています。