ネットにつながるモノは従来、パソコンやスマホ、サーバーなど専用の通信機能を持つ機器だけでした。しかし近年、IТの進化で家電や自動車、住宅・オフィスの設備、街角の防犯カメラ、工場の工作機械など、日常生活や産業に関連する機器が通信機能を備え、ネットを通じてデータの送受信や機器の制御ができるようになりました。
それらの機器の多くは精度の高いセンサーで情報を自動収集し、リアルタイムでデータを送受信する機能を備えています。このため、その機器から離れた場所でもデータを集め、それに基づいて機器を操作、制御できます。例えば、帰宅前に自宅の室温や湿度のデータを収集し、職場からスマホでエアコンを遠隔操作すれば、帰宅した時に家の中を快適な状態にしておけます。工場では工作機械から製品の製造過程の稼働データを別の場所の管理者やシステムに送り、それに基づいて稼働内容の修正や制御などが可能です。
ネットにつながるモノの種類や規模は急速に拡大しつつあり、それに伴って社会は飛躍的に便利になると期待されています。社会全体が幅広く連携しながら収集・蓄積した大量の様々なデータをビッグデータ化して人工知能(AI)を使って分析、活用することで、これまでにない付加価値の高い商品やサービスを生み出すことができるようになります。