ビジュアル・ニュース解説

家電や車、工場の機械……モノがネットにつながるIoT広がる

2019.3.4 掲載
多くの人が今、スマートフォン(スマホ)やパソコンでインターネットを利用して情報のやり取りをしています。その一方でIТ(情報技術)やセンサー技術の進化によって、個人が自らネットでデータの送受信をしなくても様々なデータがネット上を行き交う状況が広がり始めています。今回はこの状況を生み出した、あらゆるモノがネットにつながるIоТ(アイ・オー・ティー)とその将来について解説します。

4.幅広い分野で普及、大きい経済波及効果(2)

 調査会社IHSテクノロジーの推定では、2017年に275億個だった世界のネットにつながる機器は20年には1.5倍の403億個に達します。調査会社IDCジャパンの調査によると、17年の国内IоТ市場の利用者支出額は6兆2286億円で、今後は毎年約15%の成長を続け22年には12兆4634億円に増加する見込みです。
 総務省は16年12月に発表した「地域IoT実装推進ロードマップ」で、地域でIоТ導入の恩恵を感じられる生活に身近な分野として、教育や医療・介護・健康など7分野を挙げ、20年度の全体の経済波及効果を4兆9300億円、雇用創出効果を44万9300人と試算しています(上図参照)。重点分野には17年に官民協働サービスとスマートシティーが、18年には子育てがそれぞれ追加されました。また同省の平成29年版情報通信白書はIоТが進展しながら企業改革が進む場合、2030年時点の市場規模が内閣府の標準的な見通しを271兆円も上回ると試算しています。
2019年3月4日掲載