特に期待が高まっているのが自動運転技術への貢献です。日本や欧州では衛星を使った測位情報で車を制御する方式が主流になっています。
日本以外でも既に運用中のロシアの「グロナス」のほか、欧州連合(EU)の「ガリレオ」や中国の「北斗」など、独自のGPSを作る計画があります。自動運転技術の主導権獲得を目指し、日本版GPSとガリレオは18年度にも信号の言語を共通化し、システムを相互乗り入れします。ガリレオは世界全体をカバーする予定で、相互乗り入れが実現すれば日欧企業が開発した自動運転車や関連部品が世界中で使えるようになります。使用する地域が広がることで生産コストの低減が期待できます。日本版GPSの本格運用と欧州との連携により、政府が成長産業の柱と位置づける自動運転の技術開発が加速しそうです。