ビジュアル・ニュース解説

GPSでどうして自分のいる位置が正確にわかるの?

2016.10.3 掲載
人工衛星から受信した電波を利用して現在の位置を割り出す全地球測位システム(GPS)。自動車のカーナビゲーションシステムやスマートフォン(スマホ)の地図アプリ、「ポケモンGO」などのゲームで活用されているほか、自動運転やドローン(小型無人機)の自動飛行を支える技術としても注目されています。今回はGPSの仕組みと今後活用が期待される分野、国内外の取り組みについて解説します。

4.精度向上を目指して「日本版GPS」が始動(2)

4.精度向上を目指して「日本版GPS」が始動(2)
 特に期待が高まっているのが自動運転技術への貢献です。日本や欧州では衛星を使った測位情報で車を制御する方式が主流になっています。
 日本以外でも既に運用中のロシアの「グロナス」のほか、欧州連合(EU)の「ガリレオ」や中国の「北斗」など、独自のGPSを作る計画があります。自動運転技術の主導権獲得を目指し、日本版GPSとガリレオは18年度にも信号の言語を共通化し、システムを相互乗り入れします。ガリレオは世界全体をカバーする予定で、相互乗り入れが実現すれば日欧企業が開発した自動運転車や関連部品が世界中で使えるようになります。使用する地域が広がることで生産コストの低減が期待できます。日本版GPSの本格運用と欧州との連携により、政府が成長産業の柱と位置づける自動運転の技術開発が加速しそうです。
2016年10月3日掲載