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米大統領選挙について知る

2016.1.18 掲載
2016年11月8日投開票の米国大統領選挙に向けて2月1日から、州ごとに民主、共和両党の候補指名を争う予備選挙が始まります。米国の指導者選びは世界の政治や経済に大きな影響を与えるため、選挙戦の行方を世界中が注目しています。今回は米大統領選について解説します。

2.選挙人の過半数を獲得した候補が大統領に(1)

2.選挙人の過半数を獲得した候補が大統領に(1)
 本選挙は11月の第1月曜日の翌日の火曜日に行われ、今回は11月8日に全国一斉に投開票されます。有権者は候補に直接投票するのではなく、候補を支持する「大統領選挙人」に投票するのが特徴です。538人の大統領選挙人は全米50州と首都ワシントンにそれぞれ割り当てられており、本選挙で過半数の270人以上を獲得した候補が当選となります。正式には約1カ月後の大統領選挙人による投票で次期大統領が選ばれます。
 大半の州は、最も多くの票を獲得した候補がその州に割り当てられた大統領選挙人のすべてを獲得する「ウィナー・テイク・オール(勝者総取り)」方式を採用しています。例えばカリフォルニア州の選挙人は55人なので、同州の投票で勝利した候補は得票数にかかわらず55票が与えられます。このため、カリフォルニア州やテキサス州など、選挙人の数が多い州で集中的に票を集めれば、全国での得票総数が少なくても当選できることがあります。2000年の大統領選では民主党候補のゴア氏が全国での得票総数で共和党候補のブッシュ氏を上回りましたが、選挙人の獲得数で下回ったため敗れました。
2016年1月18日掲載