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イスラム市場開拓のキーワード「ハラル」って何?

2014.2.17 掲載
イスラム教徒が多い東南アジアから日本を訪れる観光客が急増していることから、日本国内で「ハラル」と呼ばれるイスラム教の戒律に対応する取り組みが広がっています。東南アジアは消費市場としても注目されており、輸出産業もハラルへの対応を進めています。今回はハラルとはどのようなもので、なぜ注目されているのか、日本側の主な対応事例について解説します。

4. イスラム市場開拓を視野に食品分野を中心に認証取得が活発化(2)

4. イスラム市場開拓を視野に食品分野を中心に認証取得が活発化(2)
 イスラム圏への輸出拡大を目指し、国内の農林水産品もハラル対応を急いでいます。政府は農林水産品の輸出額を20年までに1兆円と現在の2倍強に増やす目標を打ち出し、輸出の支援に乗り出しています。その柱の一つがハラル対応の食肉加工施設の整備です。地方自治体や農協、協同組合などに設備の導入などを促すため、整備費用の最大2分の1を助成する方針です。
 世界のイスラム教徒は16億人以上といわれ、中東やアフリカに多くのイスラム教徒がいます。ハラル食品の市場規模は60兆円を超え、医薬品や化粧品などを含めるとその規模は200兆~300兆円に上るといわれます。日本のハラル対応は始まったばかりですが、広大な市場開拓を目指した取り組みが今後加速するのは間違いなさそうです。
2014年2月17日掲載