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イスラム市場開拓のキーワード「ハラル」って何?

2014.2.17 掲載
イスラム教徒が多い東南アジアから日本を訪れる観光客が急増していることから、日本国内で「ハラル」と呼ばれるイスラム教の戒律に対応する取り組みが広がっています。東南アジアは消費市場としても注目されており、輸出産業もハラルへの対応を進めています。今回はハラルとはどのようなもので、なぜ注目されているのか、日本側の主な対応事例について解説します。

3. イスラム市場開拓を視野に食品分野を中心に認証取得が活発化(1)

3. イスラム市場開拓を視野に食品分野を中心に認証取得が活発化(1)
 輸出産業では、食品メーカーを中心にハラル認証の取得が活発化しています。キユーピーは10年にマレーシアのマヨネーズ工場でハラル認証を取得し、11年にインドネシアへ輸出を始めました。13年2月にはインドネシアに現地法人を設立し、10億円を投じてハラル対応のマヨネーズ工場を建設。今後はインドネシアからパキスタンやバングラデシュなど他のイスラム圏の開拓を本格化させる計画です。
 イオンは13年1月、マレーシアにプライベートブランド(PB)商品の開発会社を設立。現地の機関からハラル認証を受けた商品を14年にオープンするインドネシア1号店でも発売する予定です。
 資生堂は12年、マレーシアの認証機関からハラル認証を取得し、同国の一部店舗でハラルに対応したスキンケア商品の試験販売を開始。ベトナムの自社工場が製品の品質や生産過程などの審査に合格し、商品を供給しています。今後は東南アジアの最大市場のインドネシアでも商品を本格的に販売する計画です。このほか、海外進出を狙う中小メーカーの間でハラル認証の取得が相次いでいます。
2014年2月17日掲載