日々進化する経済用語集 経済ナレッジバンク

最新の経済情報を伝える日経は、日々新しい経済用語が登場する場所でもあります。

「経済ナレッジバンク」は、おさえておきたい経済の基礎用語から最新用語まで、約600語を収録。

やさしくわかりやすく解説しています。

経済をイチから学びたい時、日経を読んでいて知らない用語にぶつかった時など、幅広くご活用いただけます。

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通商拡大法232条

2018年5月25日(金) 日本経済新聞 朝刊

安保を理由に貿易制裁
 国家安全保障を理由に貿易相手国に対する制裁を可能にする米国の法律。ある特定の輸入品の増加が米国の脅威になっていると判断した場合、関税の引き上げや輸入量の割り当てを導入できる。1962年に当時のケネディ大統領が署名して成立した。
 商務省が調査して大統領に報告書を提出した後、大統領が実際に輸入制限を発動するかどうかを判断するため、手続きには時間がかかる。米国は実態調査を通じて通商交渉を有利に進めたい思惑があり、86年には日本が工作機械の輸出を自主規制した。今回の自動車や自動車部品を巡る検討も、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉でカナダやメキシコから譲歩を狙うためとの見方もある。
 過去には79年に対イラン、82年に対リビアで原油の輸入禁止措置を発動した。トランプ政権が今年3月に発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限の根拠法でもある。17年4月に調査が始まり、約1年かけて手続きを進めた。世界貿易機関(WTO)協定は安保を理由とした輸入制限を例外として認めてはいる。ただ実際には定義が明確ではないため乱用が懸念され、各国は発動を自粛している。