きょうのことばセレクション

円キャリー取引

2024.4.1(月) 掲載
 低金利の円を市場で借りて、高金利通貨で運用することで金利差収益を稼ぐ取引。外国為替市場でキャリー取引が活発になれば、円売りが増えるため円安圧力をもたらす。反対に取引が解消される局面では、円買いが広がるため円高圧力につながる。
 相場変動で金利収入が吹き飛ぶリスクがあるため、値動きの安定がキャリー取引を続ける前提となる。相場の変動が荒くなるとキャリー取引を解消する動きが加速し、円高になりやすい。2008年のリーマン・ショック後はキャリー取引の巻き戻しが強烈な円買い圧力を生み、市場の波乱要因となった。
 金融政策の見通しを映すとされる日米の2年金利差は足元で4.4%程度。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ対応で利上げを開始して以降、金利差は急速に拡大した。日銀は19日まで開いた金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除したが、政策金利は主要国のなかで最も低水準にある。緩和環境を続けるとしており、キャリー取引を誘発しやすい状況にある。
円キャリー取引