ビジュアル・ニュース解説

コロナ禍でテレワーク拡大、変わる働き方

2023.4.3 掲載
2020年から新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、働き方は大きく変わりました。大企業を中心にテレワークが一気に定着し、業務プロセスや会社の組織はそれに対応した形が広がりました。今回は働き方の現状や新たな働き方に対応した企業の取り組みなどについて解説します。

2.コロナ禍後へ多様な働き方と競争力向上の両立めざす

2.コロナ禍後へ多様な働き方と競争力向上の両立めざす
 テレワークを導入する企業も増えています。総務省の通信利用動向調査によると、21年8月時点のテレワークを導入する企業の割合は51.9%で、コロナ禍前の19年9月末時点の20.2%から31.7ポイント上昇しています。導入率が5割を超えたのは調査を始めた1999年以来初めてです。政府は12年度に11.5%だった導入率を20年までに3倍にする目標を掲げていましたが、これを大幅に上回りました。テレワークの導入率が高い業種は情報通信業が97.7%と飛び抜けており、金融・保険業が82.4%、不動産業が75.1%、製造業が60.1%と続いています。
 出社の必要がないテレワークの定着で、企業はコロナ禍後の新たな働き方を模索しています。多様な働き方を認める一方で会社の競争力を高めるため、仕事を人生の一部と捉え、働き方を柔軟に選択する「ワーク・イン・ライフ」が広がり始めています。
 NTTは22年7月に「リモートスタンダード制度」を導入。テレワークが可能な社員に対し、従来の「勤務場所から2時間以内の居住」の条件をなくし、出社時の交通費の上限を撤廃しました。これによって遠隔地へ異動になってもリモートワークを活用すれば転居しなくても仕事ができるようになり、既に800人以上が単身赴任を解消しました。会社の都合で別居を強いられた社員は働く意欲が低下したり離職したりすることがあり、生活だけでなく仕事の質向上も目指します。ヤフーは22年4月に新たなアイデア創出を狙って、全社員8000人を対象に住む場所の制限をなくした結果、約320人が九州や北海道などの遠隔地に移住しました。
2023年4月3日掲載