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量子計算

2024.4.21(日) 掲載
高速処理、創薬・金融で活用
 「量子力学」と呼ぶ物理学の理論を応用した次世代のコンピューターで解く計算のこと。従来のコンピューターの限界を超えて複雑な問題を超高速で解けるのが特徴だ。創薬や新素材の開発、金融のフィンテック分野での活用が期待される。1999年にNECが初めて量子コンピューター開発の基礎となる「超電導量子ビット」を実現して世界で研究が加速した。
 量子コンピューター自体には計算過程でミスが多いといった課題があり、実用化に向けた途上段階にある。スーパーコンピューターとつなげることでミスのない計算が実現できるという。理化学研究所のほか、欧州連合(EU)などが量子コンピューターとスパコンをつなげる研究を進めている。産業技術総合研究所の「ABCI-Q」も同様の構造を持つ。
 既存のコンピューター上で量子コンピューターを疑似的に再現した「疑似量子コンピューター」の活用も進む。物流の最適なルート設定など個別の分野に特化した計算処理を得意とする。日本が先行しており、富士通やNEC、デンソーなどが開発を進めている。