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人工衛星

2024.1.7(日) 掲載
地球周回、災害時の観測も
 地球を周回する人工天体。用途は多岐にわたる。現在、最も多いのはインターネットサービスなどを担う「通信衛星」だ。地球の状態を観測する「地球観測衛星」は災害の状況を調べるのにも役立つ。米国の全地球測位システム(GPS)をはじめとする「測位衛星」は地上の位置情報を高精度に把握でき、カーナビやスマートフォンで浸透する。
 軌道の高さは目的によって異なる。高軌道だと広範囲をカバーしやすく、低軌道は地上との通信の遅れが少ないなどのメリットがある。車の自動運転や農業など、今後も使い道はどんどん広がる見込みだ。
 かつては国家プロジェクトとしての開発が主流で、大国の威信をかけた争いがあった。世界で最初に打ち上げに成功したのは旧ソ連。1957年の「スプートニク1号」だ。近年は技術の発展による低コスト化で商業衛星が急増している。打ち上げ費用は低軌道なら1キログラムあたり約30万円と、80年代の50分の1まで低下した。新興企業の参入も相次いでいる。