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賃金

2023.3.26(日) 掲載
豊かさ・物価動向の指標
 働く人が労働の対価として受け取る賃金の動きは、生活の豊かさや物価動向を示す重要な経済指標だ。代表的な統計である厚生労働省の毎月勤労統計調査は全国の企業に毎月、支給した給与や出勤日数、労働時間や労働者数を聞いて集計・公表する。
 毎勤統計のデータは働く人1人あたりの月給がベースとなっており、パート労働者の増加など働き方の多様化が賃金指数を押し下げるという問題がある。米国の雇用統計は1人あたりではなく時間あたりの賃金が指標だ。エコノミストの間でも「政策効果を正しく検証する場合は時間あたり賃金が適切だ」(第一生命経済研究所の永浜利広氏)との意見がある。
 国内総生産(GDP)統計の一部である雇用者報酬は賃金の代表的な指標のひとつだ。1人あたり賃金と雇用者数を掛け合わせた数値で、短時間労働者も正社員もひっくるめて一国全体で労働者にどれだけお金が分配されたかを把握できる。