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米国の経済格差

2021.1.21(木) 掲載
コロナでさらに拡大
 経済活動における富の集中により、米国民の所得や資産の水準に大きな差が生じている。高所得層への増税や低所得層に対する減税など、国民の経済活動に政府が積極的に関与して富の再分配を進めることが改善策として挙げられる。
 米国の貧富の差は年々広がっている。1980年以降に米国経済を復活させた新自由主義が所得格差を生じさせたとの見方がある。直近では新型コロナウイルスの感染拡大で格差はさらに広がった。コロナ禍で対面業務が原則の飲食やサービス業の業績が大きな打撃を受け失業者が増えた一方、株などを保有する富裕層の資産価値が増えたためだ。
 米連邦準備理事会(FRB)によれば、20年3月からわずか3カ月で所得上位10%の保有資産は71兆ドルから77兆ドルに膨張した。IT(情報技術)株などに投資マネーが集中したことが背景にある。また、米国は白人、黒人、ヒスパニック系、アジア系など多様な人種を抱えており、人種間の所得や失業率水準の差が大きいことも課題となっている。