APEC

　太平洋を取り囲む21カ国・地域による経済協力の枠組み。1989年にオーストラリアの首都キャンベラで閣僚会議、93年には米シアトルで首脳会議を初開催した。当初は日本や米国、当時6カ国だった東南アジア諸国連合（ASEAN）加盟国など計12カ国で構成していたが、94年にチリが、98年にロシアやペルーなどが加わった。台湾や香港も加盟している。
　経済協力や自由貿易・投資の促進を議題の中心に据えて話し合う。加盟する21カ国・地域の国内総生産（GDP）は世界のGDPの約6割を占め、貿易量も全世界の約5割に上る。全参加国・地域による広域の地域経済統合「アジア太平洋自由貿易圏（FTAAP）」構想も持つ。
　産業界との連携を重視し、加盟各国・地域の産業界の代表から首脳に提言する「APECビジネス諮問委員会」を持つ。域内での出張の手続きを簡略化して、ビジネスを活発にするため、ビジネス目的での加盟国・地域への入国・入境で原則的に査証（ビザ）を免除する仕組みも導入された。