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ジェンダーギャップ

2022.8.1(月) 掲載
 社会や家庭などで男女の違いから生じている格差を示す。各国の格差の度合いを比べる指標として世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダーギャップ指数」が知られる。2022年版で日本の指数は146カ国中116位と主要7カ国(G7)で最低だった。日本はこれまでも下から2~3割の順位が定位置となっており、男女平等の実現で出遅れている。
 指数は経済、政治、教育、健康の4分野に関する統計データから算出する。日本は特に政治が139位、経済が121位と遅れが目立つ。識字率や初等教育の就学などでは男女同等だが、国会議員や管理職の女性比率の低さなどが足を引っ張る。意思決定の場に女性が少ないと格差を生む社会構造が温存されやすい。
 多岐にわたる男女格差のなかで特に焦点となるテーマの一つが賃金だ。ジェンダーギャップ指数が1位のアイスランドは18年、企業が男女の同一労働同一賃金を証明するよう世界で初めて義務付けた。期限までに証明できない企業には罰金を科す。日本も今年7月、女性活躍推進法の省令改正で大企業などに男女の賃金格差の情報開示を義務付けた。実際に賃金の男女差がどこまで縮小されるかが注目される。
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