きょうのことばセレクション

輸入インフレ

2022.5.1(日) 掲載
 外国での物価上昇が波及して国内で発生するインフレ現象のこと。海外からの輸入品の値上がりが国内での販売価格にも波及し、それらを原料として使う製品なども上昇するケースが代表例だ。ウクライナ危機による世界的な資源高は、資源を輸入して燃料や原材料として使っている国々の物価を押し上げている。
 日銀によると、日本の輸入物価指数(円ベース)の上昇率は2021年11月に前年同月比45.3%に達し、約41年ぶりの高い伸びを記録した。これが企業どうしがやり取りする企業物価の急上昇につながり、最終価格である消費者物価にも波及している。日本のようにエネルギーなどを輸入に頼る国の場合、資源高を背景にした輸入インフレは国内の所得が海外に流出することにつながる。
 自国通貨が下落すると、輸入インフレは加速する。外貨建て取引価格の上昇分に加えて、自国通貨が外貨に対して下げた分だけ自国通貨に換算した輸入額が膨らむからだ。2022年3月の輸入物価の上昇率は円ベースの33.4%に対して、ドルなど契約通貨ベースは25.2%にとどまった。円安を映して両者の差は広がる傾向にある。
輸入インフレ