きょうのことばセレクション

株主還元

2020.6.1(月) 掲載
企業が経費や税金などを支払った後に残った最終的な利益や、過去に蓄積した利益などを原資に株主に配分すること。現金を直接支払う配当と、発行済みの株式を自社で買い取る自社株買いの2つがある。これらを合わせた金額が株主還元の総額になる。
 企業が稼いだ利益の使い道として、成長段階の企業は設備投資やM&A(合併・買収)など成長投資に回すことが多い。一方、成熟企業は自社株買いや配当を強化する傾向が強い。余剰な資金が膨らむのを抑え、資本効率を高める効果がある。外国人投資家を中心とした還元強化を求める声が強く、株主還元に積極的な企業が多い。
 ただ、還元が多すぎると賃金が増えず、設備投資が減ってしまう。欧米では株主第一主義を見直す機運が高まっている。19年8月、米主要企業の経営者団体ビジネス・ラウンドテーブルは株主だけでなく、従業員や取引先、消費者といった株主以外のステークホルダー(利害関係者)に利益をもたらす責任があると声明を発表した。
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