きょうのことばセレクション

健康保険

2018.5.1(火) 掲載
被用者保険とも呼ばれ、民間企業に勤める人とその家族が加入する公的な医療保険制度。原則として労使折半で保険料を納付し、病気やケガで医療機関を受診した際に保険給付を受ける。患者の窓口負担はかかった医療費の3割が原則。大企業など企業・団体単位でつくる健康保険組合と、中小企業の社員ら勤め先に健保組合がない人が入る全国健康保険協会(協会けんぽ)がある。
 公的な医療保険制度には、ほかに農林水産業や自営業、非正規労働者らが入る国民健康保険(国保)、公務員を対象にした共済組合がある。75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度などと合わせ、全ての国民が何らかの公的医療保険制度に加入する「国民皆保険」を形づくっている。
 財政が特に厳しいのは国保だ。もともと自営業者の加入が多かったが、今は非正規労働者や65~74歳の退職高齢者の受け皿となっている。健保組合などと比べて加入者の平均年齢が高く医療費がかさむ一方、年収水準は低く保険料収入を増やすのが難しい。今年4月から財政運営が市町村単位から都道府県単位に変わったが、赤字体質の抜本的な解決にはならないとの見方が多い。
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