きょうのことばセレクション

データポータビリティー

2018.1.1(月) 掲載
 企業が取得した個人に関するデータを本人の意思でいつでも簡単に引き出し他の企業などに移せる仕組み。欧州連合(EU)では2018年にもポータビリティーの権利を定めた新たな法律を施行予定で、欧州で商売する企業はシステム投資などの対応を求められる。
 EUでは第2次世界大戦時に個人情報が不正に収集され、ユダヤ人の迫害につながった苦い経験などを教訓にデータ保護が憲法上の権利として確立されている。米グーグルなどにデータが一極集中して利用者を囲い込む現象が起きることを防ぐという競争政策的な色彩も強い。
 日本でも今年5月から改正個人情報保護法が全面施行され、データについてはプライバシー保護策を強化したうえで企業による利活用と両立させる方向にかじを切った。ポータビリティーを権利化するまではまだ時間がかかるとみられており、政府はまずは金融や医療など優先分野を絞って議論を進める考えだ。
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